貿易/物流 お役立ちコラム
物流に関する基礎知識

トラックドライバーの教育方法とは?

トラックドライバーの教育方法とは?

高速道路を走るトラックの多さからも分かるように、日本の物流を根底で支えているのはトラック輸送です。航空輸送や船舶輸送の末端もトラック輸送が担っていて、トラック輸送の割合は国内貨物の9割を占めています。そのため、トラックドライバーの教育は物流会社にとって重要な部分だといえるでしょう。今回は、その具体的な方法について詳しく解説していきます。

事業用貨物自動車の事故件数の推移

物流業界において、トラックをはじめとする事業用貨物自動車の交通事故を防止することは大切な取り組みのひとつです。アルコール検知器による飲酒運転の防止、点検や整備の徹底など、さまざまな交通事故防止策を講じていますが、実際のところ、事業用貨物自動車の事故件数はどのように推移しているのでしょうか。

公益社団法人全日本トラック協会の発表によると、平成26年中に事業用貨物自動車が第一当事者となった交通事故は前年度に比べて4%減少しているようです。しかしながら、年間17,801件もの事故が発生していることを考えると、事故防止のための取り組みはまだまだ必要だといえるでしょう。

社内教育はどのようにすべき?

日本の経済活動において物流は大変重要な役割を果たしています。そしてその物流を根底で支えているのがトラック輸送です。輸送事業では業務品質を向上させるためにも、トラックドライバーに対する社内教育の重要性は常に指摘されていて、多くの物流会社も定期的な社内教育の場を設けているようです。では、具体的にどのようにして社内教育を行えばよいのでしょうか。

まずは、国土交通省が発行している「自動車運送事業社が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル/第1編 基礎編※1」と「第2編 応用編※2」を参考にしてみましょう。

マニュアルには、トラックを運転する心構えや安全運転のために遵守すべきこと、貨物の正しい積載方法、トラックドライバーの社会的役割、果たすべき義務など、ドライバーに指導すべき内容が紹介されているだけでなく、それぞれの項目について指導する際のポイントも詳しく解説されています。

※1(自動車運送事業社が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル/第1編 基礎編)
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/truck_kiso.pdf

※2(自動車運送事業社が事業用自動車の運転者に対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル/第2編 応用編)
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/truck_ouyou.pdf

健康管理に関する教育もきちんとすべき

事業用貨物自動車による交通事故を防ぐためには、運転技術や運転マナーに対する教育と並行して、健康管理の重要性を認識させるための教育も非常に重要です。なぜなら、日頃から健康管理を徹底し、病気を早期に発見することで、持病や突然の体調悪化が原因の交通事故を未然に防ぐことができるからです。

特にSAS(睡眠時無呼吸症候群)は、病気を抱える本人ですら気づいていない可能性も多く、正しい知識を教えることが求められます。国土交通省が発行している「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル~SAS対策の必要性と活用~※3」に、詳しい内容が記載されていますので、ぜひ活用してみてください。

※3(自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル~SAS対策の必要性と活用~)
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03manual/data/sas_manual.pdf

トラックによる交通事故はひとたび発生すると大変な被害となる可能性が高いため、徹底した予防への取り組みが不可欠です。上記を参考にして、定期的なドライバーへの社内教育を行うことをおすすめします。