貿易/物流 お役立ちコラム
物流に関する基礎知識

物流に携わるなら押さえておきたい「物流5大機能」とは?

物流に携わるなら押さえておきたい「物流5大機能」とは?

生産物、製造物を消費者のもとへ届ける物流は、私たちの生活に欠かせないものです。特に、インターネットの普及によりネット通販が急成長を遂げるなかで、物流機能の重要性は今後さらに高くなると考えられています。そこで今回は、物流の代表的な5つの機能「物流5大機能」について詳しく説明していきます。

輸配送

「輸配送」というのは、物品を供給者(生産者、製造者)から需要者(消費者)に運搬することで、物流コストのおよそ70%を占める重要な機能です。「物品をA地点からB地点へ運ぶ」という長距離の移動を「輸送」、「A地点を出発し物品を複数箇所へ運ぶ」という近距離の移動を「配送」と使い分けることもあります。

輸配送の方法は大きくわけて3種類。トラックや鉄道を使った「陸送」、船を使った「海運」、飛行機を使った「空輸」などです。日本国内では圧倒的にトラックによる輸配送が多く、全体のおよそ90%、年間約50トンもの荷物が運ばれています。

保管

「保管」というのは、物品の生産、製造から消費までの各工程のなかで、その物品の品質、価値、数量などを保持しながら、一定の期間、物流センターなどの保管施設を使って蔵置する機能のことを意味します。

これは、生産者、製造者と消費者の間の時間的な格差を調整するための機能のことで、簡単にいうと、生産者、製造者が作った物品を在庫として保管し、必要なときに必要な分を出荷するということです。冷蔵・冷凍倉庫が作られたことによって、その補完機能は大幅に向上したといわれています。

荷役

「荷役(にやく)」とは、トラックや船などの積み込み、荷下ろし、倉庫や物流センターでの入庫・出庫業務など、荷物を積んだり下ろしたりする業務のことをいいます。その主な作業は「荷揃え」「積み付け・積卸し」「運搬」「保管(棚入れ)」「仕分け」「集荷」の6つで、これらの作業をいかに効率よく行えるかどうかで、物流の生産性と品質が決まると言っても過言ではありません。

包装

「包装」というのは、生産、製造された商品が壊れたり傷ついたりしないために包装する活動のことを意味します。どんな商品も作られたばかりの裸の状態では出荷できませんから、消費者のもとへ届けるためには、当然のことながら必ずその製品を包装(梱包)しなくてはいけません。製品や商品など、たとえどんなに小さな部品であっても、何らかの荷物が動くときには、必ず包装という工程が生まれます。

流通加工

「流通加工」というのは、入荷した製品などに対して、流通の過程で小分け、組み立て、パッケージングといった加工をすることを意味します。たとえば、ケースで入荷した商品をバラして、先方の要望通りの個数に仕分けし直し、再度パッキングをして出荷することで、商品に付加価値を付けることができるのです。洋服の検針作業、書籍の短冊入れ、ラッピング、輸入食品のラベルの貼り替えなど、現在では実に多様な流通加工が物流センター内で行われています。

消費者に向けて高い物流サービスを提供するためには、上記で紹介した物流5大機能がしっかりと連携していることが不可欠です。