貿易/物流 お役立ちコラム
輸入に関する基礎知識

【輸入契約書の作成講座】裏面約款に入れるべき4つの条件

【輸入契約書の作成講座】裏面約款に入れるべき4つの条件

輸入取引をする際には、当然契約書が必要になります。この契約書は、貿易取引の約束事が書かれた最も重要な書類になるので、慎重かつ詳細な作成が必要です。ここでは、文化も言語も習慣も通貨も違う国々との輸入契約を作成する場合はどのようにしたら良いのか、契約書のポイントになる「裏面約款」とそのほか契約書に盛り込む条件についてお話しします。

取引のルールブック! 契約書の重要性

実際の輸出入取引をする前には、取引条件に関して交渉があり、その項目を契約書にまとめることになります。しかし、交渉の段階では口約束に過ぎません。契約書に書かれていないことは、条件には含まれていることにはならないのです。

双方が合意してサインするのが契約書であり、この契約書を「絶対」にすることで、安定した取引ができるのです。ですから、後から「条件が話していたことと違う」とならないように、契約書にサインをする際には細かなところまでチェックが必要です。

覚えておきましょう! 契約書の表と裏

実は契約書には、表と裏があります。表(表面約款)には個別の契約内容を、裏(裏面約款)には一般取引条項を記載することになっています。裏面約款は印刷条項とも言われ、一般的な取引条件を記載します。

これは契約ごとに交渉するのではなく、全ての契約に共通する条件になるので、あらかじめ印刷されている場合も多いです。

これだけは押さえて! 輸入契約書に盛り込む条件4つ

以下の項目は、裏面約款に書いておくべき条件になります。ここを押さえておくことで、安心した取引ができるようになるでしょう。

価格に関する調整禁止

何か理由を付けて、価格変更が勝手に行われないようにする項目になります。

船積期間

納期の遅れに関する項目で、船積期間を厳しく守らせるための項目です。輸出側がルーズな場合にも、ここにきちんと定めておけば守らせることが可能です。契約不履行時の責任の所在
品質や取引条件など、契約書の内容を著しく損なう行為をしたために、契約続行が難しくなった場合の責任の所在を明らかにします。全てを輸出者責任とするのか(輸入者側主張)、不可抗力の場合は免除(輸出者側主張)にするのかを記載します。

準拠法及び裁判管轄

契約書が従っている法律に関して、また違反で契約続行が難しく裁判になった場合に際して、日本の法律に基づいて日本で裁判を行うことを記載しておきます。これを書いておかないと、相手国の法律で裁くことになるので、企業にとっては不利な結果が出る可能性も考えられます。

もしも自分が輸出者側になったら?

では、自分が輸入者側ではなく輸出者側の立場ならどうでしょう。反対の立場になった場合には、輸入契約書と逆の書き方をします。

「価格や納期は変更することもある」と記載しておいたり、仲裁は専門機関(日本の場合には日本商事仲裁協会)に従うなどの項目や、日本の法律に基づくなどを記載したりしておきましょう。

今回は、契約書の裏面約款について説明しました。上記の内容を参考に、もしものときに備えることは重要です。また、相手国にばかり有利な契約書にならないためにも、契約書は自分で作成するのがベストでしょう。