貿易/物流 お役立ちコラム
貿易に関する基礎知識

手続きも大きく異なる!コンテナ貨物の種類について

手続きも大きく異なる!コンテナ貨物の種類について

貿易にコンテナは欠かせません。コンテナによって手続きが異なってしまうので、コンテナの種類を把握することは、貿易を行う上で、重要な要素の一つです。ここでは、コンテナについての基礎知識と手続きについて、簡単にご説明いたします。

コンテナとは何なのか? コンテナの概要

そもそも「コンテナ」とは何でしょうか。貿易取引の商品、貨物は海上輸送の場合、コンテナを利用します。このコンテナの大きさは国際標準化機構(ISO)によって決められています。具体的には、標準的なコンテナの場合、幅8フィート(約2.4m)、高さ8フィート6インチ(約2.6m)長さのみ20フィート(約6m)と40フィート(約12m)の2種類があります。

コンテナといって思い浮かぶのはドライコンテナという一般的なコンテナになりますが、ほかにも特殊コンテナというものがあります。これは冷凍冷蔵コンテナや上部がなく、長いものに利用されているオープントップコンテナ、コンテナ以上の高さや幅でも大丈夫な外枠がないフラットラックコンテナ、液体専用のタンクコンテナなどがあります。

以前の在来船と今のコンテナ船の違い

ここで、コンテナを運ぶ船について少しご説明します。コンテナは在来線やコンテナ船で海上輸送されるのですが、今ではほとんどコンテナ船になっています。在来船とは、いわゆる一般の貨物船のことで、コンテナだけでなく、いろいろな物を積み込み運びます。コンテナ船はコンテナのみを積荷として扱う船です。在来船は荷物の積み込みに人手が多くかかり、また、天候によっては作業できない日もあるために、予定通り進まず、商品の出港や入港が遅れるということがよくありました。しかし、コンテナ船は在来線に比べて積み込みにも手間がかからず、天候にもほとんど左右されず、予定通りにスムーズに積荷作業が進むことが多く、当然出港や入港も予定通りになります。

以前はほとんどが在来船での貨物輸送でしたが、コンテナ船の登場により、輸送にかかるコストや輸送日数を大幅に減らすことができるようになったのです。

違いがあることを理解しよう! コンテナ貨物の種類とは?

コンテナ船に積み込むコンテナは、2種類あります。1人の輸出者でコンテナを満タンにする貨物(FCL)と1人の輸出者だけではコンテナが埋まらず、ほかの輸出者の貨物と一緒にコンテナ詰めされる貨物(LCL)の2種類です。

FCL貨物の場合には、輸出者が自分の倉庫などでコンテナに詰めて、コンテナヤード(CY)運び込みます。その後、通関手続きを行い出荷という流れになります。LCL貨物の場合には、コンテナフレートステーション(CFS)と呼ばれる場所に荷物が運びこまれた後、そこで通関手続きを行います。そのあと、輸出者ではなく、船会社によって他の貨物と一緒にコンテナ詰めをしてCYに運ばれます。FCLではコンテナを閉じるのも自社で行い、コンテナを開けることのないまま輸入者に引き渡すことになるので、貨物の紛失などが起こりにくいのが特徴です。

逆にLCLでは、他の貨物と一緒にコンテナ詰めされ、コンテナから出された状態で輸入者に引き渡されるので紛失などのリスクは高まります。しかし、価格も安く、輸送する船便も多くあるというメリットがあります。

全く違う! 2種類の貨物の出荷手続き

FCLとLCLでは貨物の出荷手続や積み込みの手順に違いがあります。積み込み手順や大体の違いについては上記で説明しましたが、手続き上の一番大きな違いは、CLPの作成者が違うということです。

CLPとはコンテナに積まれた貨物の明細書です。貨物に封をする人がCLPの作成者になりますので、FCLでは輸出者がCLPの作成者になり、LCLでは船会社がCLPの作成者になります。

コンテナの種類や自分の貨物がどのコンテナを利用するのかについて把握しておくのは、必須項目です。コンテナと一口に言っても、全く別の2種類になりますので、上記の内容を参考に、しっかりと違いや特徴を理解しておきましょう。