貿易/物流 お役立ちコラム
物流に関する基礎知識

物流業務をする上で役立つ資格の種類

物流業務をする上で役立つ資格の種類

「物流」は、私たちの暮らしを支える重要な仕事のひとつで、その業務内容はモノの輸配送だけでなく、保管、荷役、流通加工、包装など多岐にわたります。そのため、物流業務を行うためには幅広い知識が必要で、役立つ資格がいくつかあります。今回は、物流業界で働く上で取得しておくべき資格について、詳しく説明していきます。

貿易実務検定


「貿易実務検定」は、総合的な貿易実務と貿易英語の能力を判定するための試験のことで、グローバル化が進む物流業界では今後ますます重要になる資格のひとつです。試験は初歩的レベルのC級から高度な経験と知識が求められるA級まで3段階にレベルが分かれていて、貿易に関する基本的な知識をはじめ、マーケティング知識、商談、代金決済、クレーム、貿易金融、外国為替、貿易実務英語など、実際に貿易業務を行う上で必要な実務について幅広い問題が出題されます。

受験資格はとくに設けられておらず、年齢国籍を問わず誰でも受験することができますが、平均合格率はC級53%、B級41%、A級31%と、比較的難易度の高い資格です。

通関士

国際物流の正しい手続きを行う「通関士」は、貿易関係の資格で唯一の国家資格で、グローバル化によって海外との取引が今後ますます増加していく物流業界において、大変ニーズの高い資格のひとつです。なぜなら、輸出入を行うためには、貨物の品名や数、価格などを税関長に申告して、許可を取らなくてはいけません。そして、この専門的な知識が求められる業務は通関士に代行してもらわなくてはならないのです。

物流業務を行う社員のなかに通関士の資格を持つ社員がいれば、代行先の通関士とやりとりする手間が省け、さまざまな業務を円滑に行うことができるというわけです。とはいえ、通関業法、関税法、通関書類の作成要領、通関手続きの実務など、実際の業務に即した専門的な知識が求められるため、資格取得は決して簡単なことではありません。毎年8,000人ほどの人が受験していますが、ここ数年の合格率はわずか十数%程度ですので、かなり難易度の高い資格だといえるでしょう。

国際物流管理土

「国際物流管理士」は国際物流業務を行う上で必要な専門知識やマネジメント技術を把握した物流のスペシャリストです。社団法人日本ロジスティクスシステム協会が認定している民間資格のひとつで、取得するためには、およそ20日間の講義を受講後、最終試験に合格する必要があります。

受講料はおよそ50万円と大変高額で、受験資格も「国際物流業務で2年以上の実務経験」という条件があるため、個人で資格取得するというよりも、物流業界に就職後、業務の一環として会社から受講を命じられるケースが多いようです。

物流技術管理士

「物流技術管理士」というのは、物流システムの設計から計画、分析、解決までを遂行できる専門的な知識を持ったスペシャリストのことです。社団法人日本ロジスティクスシステム協会が認定している民間資格のひとつで、取得するためには一週間の認定講座を終了後、最終試験に合格する必要があります。ただし、受講料がおよそ50万円と大変高額なため、個人で受験する人は少ないようです。

物流業界は今後ますます伸びる業界のひとつです。上記を参考に業務に役立つ資格の取得を検討してみてはいかがですか?