貿易/物流 お役立ちコラム
輸入に関する基礎知識

いよいよ通関! 輸入通関の全体像と流れについて

いよいよ通関! 輸入通関の全体像と流れについて

輸入取引の際には、通関手続きを行わなくてはなりません。通関手続きをしなくては、日本国内で商品を流通させることはもちろん、持ち込むこともできません。今回は、輸入通関手続きを行う際の流れと必要事項について説明します。

通関って? 輸入通関について

輸入通関は、輸入する人が税関に輸入申告をし、輸入許可を受けるまでの手続きのことを呼びます。これは法人、個人に関わらず、外国から輸入する全ての物に必要な手続きになります。

輸入通関の目的は、外国からの輸入品に対する関税を徴収すること、また貿易実態の把握や国内の産業を守るための貿易管理です。

どのような手順を踏むの? 輸入通関の流れ

では、輸入通関手続きの流れについて具体的に見ていきます。

1. 搬入

関税の支払いが免除されている、国内の保税地域への搬入を行います。

2.申告

主に、輸入者から依頼を受けた通関業者が、書類を全て揃えて税関へ提出する輸入申告を行います。

3.税関の審査

輸入申告書を元に商品の審査をします。ここで関税、消費税が確定します。問題があれば、現物検査で時間を要します。

4.許可

問題がない場合には、確定した関税などを輸入者が納付すると輸入許可証が発行されることになります。

どんな物が必要? 輸入申告に必要な書類

輸入者が輸入申告をしなければ通関手続きは始まらず、輸入品が国内に流通することはありません。上述した輸入申告とは、必要な書類を添付して申告書を税関に提出することです。申告時には書類が必要となり、この書類が揃っていないと通関手続きはできないので注意しましょう。

なおこの手続きは、通関士という国家資格を持った通関業者に依頼するのが一般的になります。通関業者に依頼するときに用意するのは、「インボイス」、「パッキングリスト」、「船荷証券」、「保険料請求書」です。商品によっては、特恵原産地証明書といった書類が必要になる場合もあります。

通関士は実行関税率表を参考にして、関税と消費税を計算して報告書を作成し、税関に申告します。現在では、一部の通関業者では電子化も進んでおり、システム上で申告手続きができるようになっていることもあります。この書類と税関の審査によって、関税と消費税が確定されます。

どんな目的? 何をやってる? 税関の検査

上述した税関は、輸入品に対する検査をします。申告書類との相違や不備がないかといった項目を確認する作業をしており、この検査は危険物や薬物などの輸入を防ぐこと、関税の適正額を判断することが目的です。

検査では現物を全て生で見るのではなく、大型のX線検査場でコンテナごとX線に通し、問題が無ければ許可を出します。もちろん、検査に少しでも引っかかるところがあれば、商品を取り出して確認する開披(かいひ)検査を行うことになっています。

一体どのようなもの? 輸入申告時に支払う関税

外国から日本国内に商品を入れるには、関税を支払わなくてはなりません。関税納付は輸入許可書をもらうためには必ず必要です。輸入の場合、関税はCIF価格(輸出地の商品代金+保険料+運賃)についてかけられます。
また、関税率には以下のような種類がありますので、輸入する前に自分の輸入したい商品が何に当たるのか調べてみましょう。

基本税率

全ての輸入品に定められた基本の税率です。

暫定税率

経済状況を考慮して、一時的に基本税率を修正した暫定的な関税率のことです。

協定税率

どの税率よりも低い場合に採用されるもので、関税率は低くなっています。WTOの加盟国を原産とした品目で、国同士の条約で決まっています。

特恵税率

開発途上国からの輸入品についてかけられる関税率です。開発途上地域の経済発展の目的があります。

これらの通関手続きを無事終えれば、商品を受け取ることができます。通関手続きの全体像について知りたい方は、上記を参考にしてみてください。