【輸入の事前準備】輸入条件の交渉方法
引き合いをしてサンプル品を取り寄せ、納得して貿易取引に進めることになったら、輸入条件の交渉になります。ここはとても重要な局面です。今後の付き合いの基礎を決めることになるので、自分と相手にとって納得できる条件にしておきましょう。ここでは、輸入条件の交渉方法を紹介します。
オファーとカウンターオファーの概要を理解しよう
輸出者から輸入者へ見積もりのような条件を提示することを「オファー」、それに対して、輸入者が条件を変更して返してくることを「カウンターオファー」と呼びます。オファーやカウンターオファーは、後に残しておけるように、FAXやメールで行うことが一般的です。
オファーやカウンターオファーは、取引が決まるまで何度もやり取りをすることがあります。
3種類のオファーの違いを知る
オファーには、以下のオファーを始めとしたいくつかの種類があります。輸入条件の交渉では、それぞれオファーの条件を使い分けすることになります。
確認申込みオファー(ファームオファー)
確認申込みオファー(ファームオファー)においては、回答の期限が決められているため、輸入者はその期限内で輸入するかどうかを決めなければなりません。そして、指定した期限内には、条件の変更やキャンセルはできないようになっており、輸入者が承諾すれば、その条件で契約が成立します。
確認条件付きオファー
この条件のオファーは、輸入者が輸出者の条件を受け入れたからといって、すぐに契約成立にはなりません。オファーを出した輸出者側が再度確認、承諾することで契約が成立します。
先売り御免オファー
商品数が限られている場合に使われるオファーで、輸入者がオファーの条件を受け入れ、契約が成立したと思っても、輸出者の方で商品が売り切れてしまえば、契約は成立しないという条件のオファーです。
オファー、カウンターオファーのやり取りで輸入条件を詰めていく
オファーには、以下のような項目が書かれているのが一般的です。
- 商品:何を売るか、品質水準
- 数量:確約できる数量
- 価格:ドルで書かれているか円なのか、通貨の単位に注意する
- 納期(船積み時期):船積み時期について
- 支払条件:決済条件について
- 取引条件:貨物はどこで渡すか、リスクのような責任範囲
口約束でした金額や条件ではなく、ここに書かれているものが正式なものになるので、よく確認しましょう。
輸入条件を有利にする交渉ができるようになる4つのポイント
輸入交渉を自分のペースで進めることができれば、貿易取引は怖くありません。しかし、言葉や慣習の問題、お互いの利益のことを考えると、思うようにいかない場合があります。それでも、輸入条件の交渉や実際の貿易取引をスムーズに進めるために、できるポイントはあります。
矛盾がないか確認する
もらった契約書や書類、見積書など取り交わしたものに矛盾はありませんか? 少しでも疑問に感じたら、調べたり聞いたりして、はっきりさせておきましょう。
どこが違うか自分なりに整理してみる
相手の条件と自分の条件、どこが同じでどこが違うのか。何回もやり取りをしていると分からなくなってくるので、自分なりに整理してみましょう。
優先順位を付ける
自分が妥協できる点はどこかを探します。逆に、絶対に譲れない条件はどれかをはっきりとさせましょう。相手にばかり求めるのも、自分ばかり妥協するのも、今後の取引のことを考えるとよくありません。お互いが満足できる点を探していくことが大切です。
語学を学ぶ
意思疎通ができることも、いい取引ができる一つの条件でもあります。少しずつでもきちんとコミュニケーションが取れるようにしておくことが、今後の取引において大切だと考えましょう。
いかかでしたでしょうか。輸入交渉を行う際は、上記の内容を参考にして、オファー、カウンターオファーのやり取りを行い、まずは輸入条件を取り決めるようにしましょう。